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「JANE DOE」を、新たな解釈でカバーしました。
この曲を作るきっかけになったのは、原曲への興味だけではありません。
自分の中にあるもの。
かつて自分の中にあったかもしれないもの。
あるいは、今もどこかに残っているもの。
そんな感情を、音楽という仮想世界の中で、少し離れた場所から見つめてみたい。
今回の「JANE DOE」は、そんな思いから生まれました。
人は、イメージの中で世界を見ている
私は、音楽や言葉だけではなく、この世界に存在するものの多くは、まず「イメージ」が先にあるのではないかと思っています。
目の前にあるものを、そのまま見ているようでいて、私たちはそこに自分自身の経験や記憶、価値観、そして個人的な概念を重ねています。
そうして、現実とイメージを行き来しながら、自分の中にある世界を少しずつ形作っていく。
それは、ときに幻想であり、妄想でもある。
けれど同時に、現実そのものでもある。
希望を感じることもあれば、絶望を感じることもある。
その境界を行き来しながら、私たちは音楽や物語という仮想世界に身を委ねることで、現実の中にいる自分自身の立ち位置を確かめているのかもしれません。
今回の「JANE DOE」は、私にとって、その中でも「絶望」に近い場所にある作品です。
ただ、その絶望の中に自分自身が沈み込んでいくのではありません。
自分の中にあったであろう、あるいは今もどこかに持っているかもしれない絶望感を、少し遠くから眺めてみる。
音楽という仮想世界の中に自分を置き、その世界の中にいる自分自身を見つめてみる。
そのために、この曲をカバーしました。
原曲から受け取ったものを、自分の世界へ
今回の「JANE DOE」は、原曲をそのまま再現することを目的にはしていません。
原曲が持っている攻撃的なエネルギーを核として受け取り、そこから自分が感じたものを一度ほどき、自分なりの音の風景として再構築しています。
その中で、低域を支えるベースにはPrecision Bassを選びました。
当初はアップライトベースのような音色も考えていました。
しかし、原曲を改めて聴き直すと、そこには攻撃的なベースの存在感があります。
その強さを失わず、さらに音楽全体の重心を低くしたい。
そのため、今回はPrecision Bassを選択しました。
ギターには、私が以前から愛用しているヴィンテージギターを使っています。
グレコのギター。
そしてGIBSONのクラシックギター。
長い時間を経てきた楽器から生まれる音と、SynthV 2 PROによって作られた現在の声。
過去から受け継がれてきたものと、現代の技術によって生まれたもの。
その異なる時間を持つ音たちを、あえて一つの世界の中に置いてみました。
二つの声が描く、二つの存在
ボーカルにはSynthV 2 PROのJUNを起用しました。
そして女性パートにはAmaraを。
この二つの声は、私の中では同じ場所に存在しているわけではありません。
JUNには、この世界の中に立っている人間としての存在感があります。
一方、Amaraにはどこか、この世のものではないような異質感があります。
現実の世界にいる存在と、現実には存在しないような存在。
その二つが同じ音楽の中で交差することで、「JANE DOE」という世界に独特の輪郭が生まれました。
それは、単純な男女のツインボーカルではありません。
異なる場所にいる二つの存在が、一つの物語の中で交差している。
そんな感覚です。
そして、この二つの声の間にある距離感が、今回の作品における「現実と幻想」の境界にもなっています。
ヴァイオリンが持つ、人間の存在
その世界の中に、近藤彩香さんによるヴァイオリンソロを加えました。
ギターやPrecision Bassが作る音楽の骨格とは異なり、ヴァイオリンには人間の手による揺らぎがあります。
そこには、完全に均質ではない呼吸がある。
音程やタイミングだけでは説明できない、演奏する人の身体を通った音があります。
SynthV 2 PROによる声と、生身の人間が演奏するヴァイオリン。
人工と人間。
現代の技術と、演奏者の身体。
それらは対立するものではなく、同じ音楽の中で一緒に呼吸しています。
そして、その呼吸があるからこそ、この曲の世界は完全な幻想にはなりません。
どれだけ仮想世界の中に身を委ねても、どこかに現実の自分がいる。
その距離感が、今回の「JANE DOE」には必要でした。
1950年代のアコーディオンが運ぶもの
そして、この曲の中で特に印象的な音色の一つがアコーディオンです。
使用したのは、1950年代に製造されたホーナー社製のボタンアコーディオン。
アコーディオンは、右手と左手で明確に役割が分かれています。
右手はメロディ。
左手は和音とリズムを中心とした伴奏。
けれど今回の楽曲では、右手側のメロディはほとんど使っていません。
あえて、左手側の伴奏を中心に使用しています。
メロディを奏でることができる楽器なのに、メロディをほとんど奏でない。
この選択には、今回の「JANE DOE」の世界観がそのまま表れているように思います。
アコーディオンそのものを主役にするのではなく、音楽の奥にその存在を置く。
前面に出てくるのではなく、どこか遠くから聞こえてくるような響きを作る。
そのため、録音にもあえてアコーディオン本体に内蔵されているマイクを使用しました。
クリアで広いレンジを持った音を録ることもできますが、今回はあえてその方向を選びませんでした。
内蔵マイクによる、少しレンジの狭い独特の音質。
それは決して高解像度な音ではありません。
けれど、その限られた帯域の中にこそ、古い録音を思わせるような質感があります。
1950年代の楽器を、現代的なマイクで鮮明に切り取るのではなく、その楽器自身が持っているマイクを使って音を拾う。
そうすることで、アコーディオンの音が単なる「ヴィンテージ楽器の音」ではなく、時間そのものをまとったような響きになりました。
それは、過去の記憶のようでもあります。
何かをはっきりと思い出すのではなく、ふとした瞬間に、遠くから聞こえてくる音。
中盤から加わるアコーディオンによって、曲の時間は少しずつ変化していきます。
それまでの音楽が持っていた攻撃性に、懐かしさが重なってくる。
現在の自分が、過去の自分を振り返るような感覚。
そこには、ノスタルジーがありながら、決して温かいだけではない感情があります。
むしろ、少し寂しく、少し冷たい。
その音の向こうにあるものを、もう一度取り戻すことはできない。
そんな感覚です。
だからこそ、このアコーディオンは「懐かしい音」を作るためだけに存在しているのではありません。
時間の向こう側にあるものを、今の自分が遠くから眺める。
その距離感を音にするために、私はこの楽器と、その内蔵マイクによる限られたレンジの音を選びました。
絶望を、遠くから眺める
「JANE DOE」は、私の中では「絶望」に近い場所にある作品です。
けれど、絶望そのものを描きたいわけではありません。
絶望の中にいる自分を、音楽という仮想世界の中から見つめてみる。
自分自身を少し遠くに置いて、その姿を眺めてみる。
そのために、音楽があるのだと思っています。
私たちは、現実だけを生きているわけではありません。
頭の中にあるイメージ。
記憶。
幻想。
言葉。
音楽。
そうしたものを行き来しながら、自分のいる場所を確かめています。
現実と幻想の間を行き来しながら、ときには希望を、ときには絶望を感じる。
それでも、音楽という仮想世界に身を委ねることで、私たちはもう一度、自分自身の立ち位置を見つめ直すことができる。
今回の「JANE DOE」は、私にとってそんな場所でした。
音と言葉が、世界をつくる
JUNとAmara。
ヴィンテージのグレコとGIBSON。
Precision Bass。
近藤彩香さんのヴァイオリン。
1950年代のホーナー社製ボタンアコーディオン。
それぞれの音は、異なる時間からやってきています。
人工的に生まれた声。
人間の身体を通った演奏。
長い年月を経てきた楽器。
そして、今この瞬間に生まれる音。
それらを一つの場所に集め、音と言葉を重ねていく。
すると、そこには最初には存在しなかった世界が生まれます。
それは現実ではないかもしれない。
幻想なのかもしれない。
あるいは、自分の中にある何かを映し出したものなのかもしれない。
けれど、その世界の中で音が鳴り、言葉が響いた瞬間、そこには確かに一つの存在が生まれる。
今回の「JANE DOE」は、そんな世界を覗き込むための作品です。
もしこの音楽を聴いて、あなた自身の中にある何かを思い出すことがあったなら。
それが希望であっても、絶望であっても。
あるいは、名前のつけられない感情であっても。
この音楽が、その感情を少し遠くから見つめるための場所になればと思っています。
金曜日リリース
作品を隔週金曜日にリリースします。
カバー曲やオリジナル曲を毎回リリース!ある程度まとまるアルバムとして再リリースします。また先行してYouTubeチャンネルでプロモーション動画も公開しています!
今後とも応援よろしくお願いいたします!
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ハイレゾ音源をサイト内で販売いたしておりましたが、著作権の関係上、ロイヤリティフリーの音源のみの取り扱いでした。今後はハイレゾ音源を楽しむという観点から様々な音楽を自由に販売できる業者で販売をすることにいたします。
ハイレゾ音源は高音域のでティールが素晴らしく、特に細部まで表情や立体感が違います。本格的なコレクションに最適です!
*ご購入時にファイル形式を選んで下さい。
ファイル形式について
非圧縮ファイル:Wavファイル。オリジナルのレコーディングファイル。音質は良いですが容量が大きくなるのとアルバムアートを表示することが出来ません。
可逆圧縮(お薦め):Flac、ALAC(アップルロスレス)。オリジナルの音質を保ったまま圧縮。アルバムアートの表示も可能です。コレクションとして最適です。
非可逆圧縮:AACファイル。非可逆性圧縮で人間の聴覚上ほとんど聞こえない部分をカットしています。容量が小さく出来るので資料としての大量の保存用。
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付録ー調声に最適なヘッドフォン!
付録として、エムフリお気に入りのお薦めグッズをここに掲載します!
今回は調整作業に使っている、ヘッドフォンです。
僕は基本的にヘッドフォンで音楽を聴くのは好きではなくて、アナログ録音時のモニターか雑音などの最終チェックにしか使いません。
その理由は再生音がヘッドフォンによる特性にかなり左右されるからです。なので制作時にはその目的に応じた音のヘッドフォンを選択することになります。録音時のモニターや雑音を検知するのに適したものを選びます。
ただ、ヘッドフォンはそれほど好きではないのです。空間を介さない直接耳に伝える音なので、どちらかというと好んで使うというよりも、作業工程で仕方なく使うことが多いです。
♡購入までの経緯
最近、SynthesizerVで調声をするようになって、MacBookPROを使用して外出先などでも作業するようになりました。そうするとヘッドフォンは必須となってきます。長時間装着して疲れなければ、まぁイイかくらいで適当に選んでいました。
当初はデザイン性からTeenage Engineering のヘッドフォンを使用していました。オシャレな感じと携帯に便利なので使っていました。ハイがカットされて中低位域がモッコリするのですが、聞き疲れしないので気に入っていました。しかし、カバンに入れて持ち歩いていると可動部分が折れてしまいました。
気に入っていたので(デザインが〜笑)再注文して、ついでにいろいろ検索していると「アシダボックス」なるものを見つけました。ものすごく評判が良くて一時期は入手困難な状態が続いていました。日本のメーカーでデザインがなんともレトロ。
Teenage Engineeringのヘッドフォンよりも安かったのでポチってみました。
♡調声に最適
結論からいいますと、めっちゃイイです。特にSynthesizerVの調声作業にバッチリです!
丁度、人の声の部分が聞きやすくて微細な変化もこのヘッドフォンだと聞き逃すことがないです。SynthesizerVで調声をされている方には、是非是非お薦めのヘッドフォンです。コスパも良いです。
同じデザインで、ST-90-05とST-90-07というのがあります。僕が購入したのはST-90-07のほうです。評判になっていたのはST-90-05のほうなのですが、さらにパーツのグレードを上げて音をよくしたのががST-90-07です。
低域はあんまり出ませんので、そういった需要の音楽には不向きです。声が聴き取りやすいので、調声とは抜群に相性がイイです。先にもいったようにヘッドフォンは、その目的に応じて使うのが理想的で万能性を求めるものではありません。
最初にいったようにヘッドフォンを使うのはあまり好きではないのですが、これはかなりお薦めです。これを使い出してから、SynthesizerVの調声で細部の音の動きに迷うことが減って作業効率が上がりました。
とにかく声の微細な変化がとてもわかりやすいので、是非使ってみてください!
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