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今週リリースする作品は、日本でも長く愛されてきた名曲 「はにゅうの宿(Home! Sweet Home!)」 です。
今回は単なるカバーではありません。
日本語版と英語版という二つのバージョンを制作し、それぞれ異なる世界観を持ちながらも、一つの作品として成立するように仕上げました。
同じメロディ、同じ演奏、同じ長さ。
しかし、言葉が変わることで音楽そのものの表情は驚くほど変化します。
今回は、その違いと共通点について少し深くお話ししたいと思います。
日本語版 ― 「帰る場所」を歌う優しさ
日本語版を制作する際に最も大切にしたのは、「懐かしさ」です。
「はにゅうの宿」は、日本では学校教育やテレビ、映画など様々な場面で親しまれてきました。
多くの人にとって、この曲は”知っている曲”であり、幼い頃の記憶や家族との思い出を自然と呼び起こします。
だからこそ歌唱も演奏も、必要以上にドラマチックにはせず、穏やかで自然な呼吸を意識しました。バックトラックでは特に「静けさ」の中にある心の揺らぎを表現しています。たとえるならドビュッシーの「月の光」のような「静と動」です。
その上にシンプルな言葉一つひとつが耳に入り、歌詞の意味が心へゆっくり届くように。
日本語版は「故郷へ帰る安心感」を描いています。
英語版 ― 世界中に届く”Home”
一方、英語版はまったく違う表情になります。
原曲である “Home! Sweet Home!” の歌詞は、日本語版とはニュアンスが少し異なります。
そこには単なる「故郷」ではなく、
“Home”
という、とても広い意味が込められています。
家族。
安心できる場所。
人生の原点。
心が帰る場所。
英語という言語になることで、より普遍的で、国境を越えて共感できる作品へと姿を変えました。
日本語版が”記憶”を歌う作品なら、英語版は”普遍性”を歌う作品。
同じメロディでも、言葉が変わるだけで、音楽が持つ景色まで変わることを改めて実感しました。
初音ミクと紫門トパーズ、それぞれが持つ個性
今回の二作品では、言語だけでなく歌唱ソフトも変えています。
日本語版は、VOCALOIDの初音ミク。
英語版は、Synthesizer V 2 PROの紫門トパーズ。
この組み合わせは偶然ではありません。
初音ミクは、日本のボーカロイド文化を象徴する存在です。
長年、多くのクリエイターによって歌い継がれてきたその歌声は、『はにゅうの宿』が持つ日本で親しまれてきたイメージとも自然に重なります。
一方、紫門トパーズは英語表現を得意とするSynthesizer V 2 PROのボイスバンクです。
英語特有の発音やフレージングを自然に表現できるため、原曲『Home! Sweet Home!』が持つ世界観をより素直に描くことができました。
つまり今回比較していただきたいのは、日本語版と英語版だけではありません。
VOCALOIDとSynthesizer V 2 PRO。
二つの歌唱エンジンが、それぞれの魅力を生かしながら同じ名曲をどのように表現するのか。
その違いも、この作品の大きな聴きどころの一つです。
日本語版と英語版の違い
制作していて特に面白かったのは、歌詞だけでなく歌い方そのものが変化したことです。
日本語は一音一音を丁寧に届ける言語です。
そのため、歌も自然と内側へ向かうような、繊細な表現になります。
対して英語は、母音と子音のリズムが大きく、フレーズ全体で歌う言語です。
言葉の流れそのものが音楽になっているため、同じテンポでも少し広がりのある印象になります。
録音後に聴き比べると、
まるで別アレンジを聴いているような感覚さえありました。
しかし、これは演奏を変えたわけではありません。
変わったのは「言葉」だけです。
その違いだけでここまで音楽の印象が変化することは、とても興味深い発見でした。
演奏したからこそ生まれた空気感
今回の制作では、ギター、ベース、ピアノをすべて自分自身で演奏しています。
最近では打ち込み技術やAI技術も大きく進歩し、高品質な演奏を短時間で作ることもできる時代になりました。
それでも私は、自分の手で演奏することに大きな価値があると考えています。
テンポのわずかな揺れ。
指先から伝わる力加減。
次のフレーズへ向かう自然な呼吸。
こうした細かな表情は、人が実際に楽器へ触れたからこそ生まれるものです。
今回の『はにゅうの宿』では、その「人間らしさ」を作品の中心に据えました。
派手な演奏ではありません。
しかし、一音一音に静かな温もりが宿るような演奏を目指しています。
楽器選びにも理由があります
演奏する楽器も、その曲の世界観に合わせて選びました。
ギターには、ヴィンテージらしい自然な響きを持つ愛用のGrecoを使用。
アンプも必要以上に音を作り込まず、真空管アンプ本来の温かさを生かしています。
ベースにはフレットレスベースを採用しました。
フレットレスならではの滑らかな音程の移り変わりは、どこか人の歌声にも似ています。
決して前へ出過ぎることなく、曲全体をやさしく包み込み、日本語版・英語版どちらにも共通する穏やかな空気感を支えてくれています。
そしてピアノは、この作品全体の”心臓”とも言える存在です。
派手なフレーズを弾くのではなく、一音ごとの余韻を大切にしながら演奏しました。
メロディを主張するのではなく、歌を支えるための演奏。
それが今回のピアノに込めた役割です。
機材は「良い音」を作るためではなく、「本来の音」を残すため
録音でも同じ考え方を持っています。
マイクやプリアンプ、EQやコンプレッサーなど、多くの機材を使用していますが、それらは音を大きく変化させるためのものではありません。
演奏した瞬間に存在していた空気。
楽器が鳴っていた距離感。
部屋に響いていた余韻。
そうしたものをできる限り自然に残すための道具として使っています。
今回の制作では、録音前のマイク選びから、演奏ごとのセッティング、ミックス、マスタリングに至るまで、一つひとつ積み重ねながら仕上げました。
だからこそ、日本語版と英語版は「同じ録音」ではなく、「同じ思想」で作られた作品になっています。
一つの作品を、二度味わってほしい
日本語版は、日本人だからこそ感じられる言葉の美しさがあります。
英語版は、原曲が持つ世界共通の普遍性があります。
どちらが優れているというものではありません。
同じ3分19秒。
それでも、聴き終えた後に残る感情は少し違います。
その違いを楽しみながら、一つの作品を二度味わっていただければ、とても嬉しく思います。
二つの作品に共通しているもの
日本語版と英語版は、それぞれ異なる世界観を持ちながらも、制作に込めた考え方は共通しています。
どちらも同じ演奏、同じ録音、同じアレンジを採用し、「言語そのものが音楽に与える印象の違い」を純粋に感じてもらえるよう制作しました。
だからこそ、この二作品は「別々の作品」ではなく、「一つの作品を二つの言語で描いたもの」と考えています。
録音にも妥協はありません
録音についても、一つひとつの音に時間をかけました。
マイクの選択。
距離。
角度。
プリアンプのキャラクター。
EQやコンプレッサーの使い方。
どれも「派手にする」ためではなく、
演奏そのものが持つ質感を素直に伝えるための選択です。
派手な加工ではなく、
“そこに演奏者がいる”
そう感じられる空気感を目指しました。
アレンジは変えた。それでも変えなかったもの。
今回、日本語版と英語版は、歌詞だけを差し替えた作品ではありません。
それぞれの言語が持つ文化や世界観を表現するため、アレンジにも明確な違いを持たせています。
日本語版では、日本の風景や郷愁を感じられるよう、どこか懐かしく、穏やかな空気感を大切にしました。
一方、英語版では、原曲『Home! Sweet Home!』が持つ欧米の世界観を意識し、より広がりのあるサウンドへと仕上げています。
同じメロディでありながら、言語だけでなくアレンジも変えることで、それぞれが自然にその文化へ溶け込む作品を目指しました。
しかし、変えなかったものもあります。
それは、この楽曲に対する向き合い方です。
生演奏を軸に、一音一音を丁寧に録音し、作品全体の空気感を大切にするという制作思想は、日本語版も英語版も共通しています。
アレンジは異なっていても、その根底に流れる想いは一つです。
二つの作品を聴き比べることで、それぞれの違いだけでなく、共通して流れる音楽への姿勢も感じ取っていただけたら嬉しく思います。
3分19秒という共通の時間
日本語版も英語版も、
曲の長さは 3分19秒。
偶然ではなく、この作品にとって最も心地よい長さだと感じた結果です。
余計な間奏を増やすことも、
無理に短く編集することもせず、
一つの物語として自然に終わる時間。
その答えが3分19秒でした。
同じ時間を歩んでも、
見える景色は日本語版と英語版で少し違う。
ぜひ二つを続けて聴き比べていただければ嬉しいです。
音楽制作に対する私の姿勢
私は、新しい機材やプラグインを試すことも好きです。
録音方法を研究することも好きです。
AI技術や最新の制作環境にも興味があります。
しかし、どれだけ技術が進歩しても、最後に音楽を動かすのは「人の感情」だと考えています。
だからこそ、自分で演奏し、自分で録音し、自分で向き合う時間を大切にしています。
効率だけを追い求めるのではなく、一音一音に理由を持たせる。
便利だから選ぶのではなく、この作品に必要だから選ぶ。
そんな姿勢で、これからも作品を作り続けていきたいと思っています。
最後に
『はにゅうの宿』は、日本語版と英語版という二つの姿を持ちながらも、その根底に流れる想いは一つです。
同じ演奏、同じ録音、同じアレンジ、そして同じ 3分19秒 という時間の中で、言葉だけが変わることで音楽がどのように表情を変えるのか。その違いを楽しみながら制作しました。
私にとって音楽制作とは、機材や技術を競うことではありません。
演奏、録音、ミックス、マスタリング。そのすべては、一つの楽曲をより自然に、より美しく届けるための手段です。
だからこそ、生演奏であること、一音一音を丁寧に録音すること、作品に合わせて楽器や機材を選ぶことを大切にしています。
150年以上歌い継がれてきた『はにゅうの宿』への敬意を胸に、自分なりの解釈で未来へつないでいく。
そんな思いを込めた日本語版と英語版を、ぜひ続けて聴き比べていただけたら嬉しく思います。
金曜日リリース
作品を隔週金曜日にリリースします。
カバー曲やオリジナル曲を毎回リリース!ある程度まとまるアルバムとして再リリースします。また先行してYouTubeチャンネルでプロモーション動画も公開しています!
今後とも応援よろしくお願いいたします!
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ハイレゾ音源は高音域のでティールが素晴らしく、特に細部まで表情や立体感が違います。本格的なコレクションに最適です!
*ご購入時にファイル形式を選んで下さい。
ファイル形式について
非圧縮ファイル:Wavファイル。オリジナルのレコーディングファイル。音質は良いですが容量が大きくなるのとアルバムアートを表示することが出来ません。
可逆圧縮(お薦め):Flac、ALAC(アップルロスレス)。オリジナルの音質を保ったまま圧縮。アルバムアートの表示も可能です。コレクションとして最適です。
非可逆圧縮:AACファイル。非可逆性圧縮で人間の聴覚上ほとんど聞こえない部分をカットしています。容量が小さく出来るので資料としての大量の保存用。
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付録ー調声に最適なヘッドフォン!
付録として、エムフリお気に入りのお薦めグッズをここに掲載します!
今回は調整作業に使っている、ヘッドフォンです。
僕は基本的にヘッドフォンで音楽を聴くのは好きではなくて、アナログ録音時のモニターか雑音などの最終チェックにしか使いません。
その理由は再生音がヘッドフォンによる特性にかなり左右されるからです。なので制作時にはその目的に応じた音のヘッドフォンを選択することになります。録音時のモニターや雑音を検知するのに適したものを選びます。
ただ、ヘッドフォンはそれほど好きではないのです。空間を介さない直接耳に伝える音なので、どちらかというと好んで使うというよりも、作業工程で仕方なく使うことが多いです。
♡購入までの経緯
最近、SynthesizerVで調声をするようになって、MacBookPROを使用して外出先などでも作業するようになりました。そうするとヘッドフォンは必須となってきます。長時間装着して疲れなければ、まぁイイかくらいで適当に選んでいました。
当初はデザイン性からTeenage Engineering のヘッドフォンを使用していました。オシャレな感じと携帯に便利なので使っていました。ハイがカットされて中低位域がモッコリするのですが、聞き疲れしないので気に入っていました。しかし、カバンに入れて持ち歩いていると可動部分が折れてしまいました。
気に入っていたので(デザインが〜笑)再注文して、ついでにいろいろ検索していると「アシダボックス」なるものを見つけました。ものすごく評判が良くて一時期は入手困難な状態が続いていました。日本のメーカーでデザインがなんともレトロ。
Teenage Engineeringのヘッドフォンよりも安かったのでポチってみました。
♡調声に最適
結論からいいますと、めっちゃイイです。特にSynthesizerVの調声作業にバッチリです!
丁度、人の声の部分が聞きやすくて微細な変化もこのヘッドフォンだと聞き逃すことがないです。SynthesizerVで調声をされている方には、是非是非お薦めのヘッドフォンです。コスパも良いです。
同じデザインで、ST-90-05とST-90-07というのがあります。僕が購入したのはST-90-07のほうです。評判になっていたのはST-90-05のほうなのですが、さらにパーツのグレードを上げて音をよくしたのががST-90-07です。
低域はあんまり出ませんので、そういった需要の音楽には不向きです。声が聴き取りやすいので、調声とは抜群に相性がイイです。先にもいったようにヘッドフォンは、その目的に応じて使うのが理想的で万能性を求めるものではありません。
最初にいったようにヘッドフォンを使うのはあまり好きではないのですが、これはかなりお薦めです。これを使い出してから、SynthesizerVの調声で細部の音の動きに迷うことが減って作業効率が上がりました。
とにかく声の微細な変化がとてもわかりやすいので、是非使ってみてください!
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