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Borelのオリジナルアコーディナを使っています。
今回はこのBorelのオリジナルモデルについて書いていきたいと思います。
絶滅危惧種
アコーディナそのものは20世紀中期に作られた新しい楽器でありながら、一時は忘れ去れた存在になりました。元々それほどメジャーな楽器でもなかった上に、楽器製造している会社が販売を中止してしまったためといえます。
アコーディン奏者のリシャール・ガリアーノが積極的にこの楽器を使って演奏をすることで、徐々に認知もあがってきました。またフランス国内の職人たちが、それぞれの新しいデザインで復刻を試みるようにもなりました。
それでもアコーディナ演奏家というと本国のフランスでもあまり多くいません。またアマチュア人口も少ないです。全世界規模で見てもかなり少ないです。
日本もかなり少ないですが、米国に比べると多い方かもしれません。米国になるとアコーディナを知らない人がほとんど。日本よりもマイナーな存在かもしれません。
Borelの長所
現行のアコーディナのほとんどがリードを蝋(ろう)で固定しているのに対して、このアコーディナはビスで固定しています。一般的なアコーディオンも蝋でリードを固定しています。
しかしフランスの伝統的なアコーディオンはすべてビスで留めていることが多いので、それを追従しているかと思います。蝋で固定したものよりも明るい音が特徴です。
Borelのアコーディナの音は決して明るすぎず、甘い音色です。音抜けの良さと深みある音色がこの楽器の特徴といえるでしょう。
また楽器による個体差もかなりあります。私は現在、1950年代の最初期モデルと1970年代のモデルを使用しています。50年代のモデルは明るく抜けがよく透明感のある音、対して70年代のモデルは甘くて太い音です。
これらの特色を楽曲に活かして演奏することが多いです。
ここの楽器によるキャラクターの違いがビンテージ楽器が愛される大きな理由かもしれません。
Borelの短所
リードが真鍮製であるために折れやすいというデメリットがあります。修理には真鍮製のリードを古いアコーディオンから抽出して、それを元に新たに削ります。そのために通常のリード交換修理よりも価格も高くなります。
現行のアコーディナのリードはステンレス製のため丈夫です。マウント部分は真鍮製であるためサウンドにも大きな変化は見られません。これをBorelのマウントサイズまで小さくしてはめ込むことが可能です。
しかし残念ながらステンレスリード自体が真鍮製よりも長さが必要なため、中央から上の音域しか適応できません。マウントサイズをボディにあわせて小さくしても、肝心のリードの適応できる長さが限られてきます。
なので現状、中央より低い音のリードが折れたときは真鍮製のものを削り出して作り直してもらう必要があります。真鍮製のリードが今後無くなる可能性もあるので、この修理がいつまで出来るかはわかりません。
これは総じてビンテージ楽器の宿命かもしれません。
存在感
演奏会ではほとんど使うことはないですが、これでしか出せない味があるのでレコーディングでは頻繁に使うことが多いです。
アコーディナ全般については以前記事も記事に書きました。
すべてのアコーディナの原点はこのBorelのアコーディナです。
現在ではオリジナリティーあふれるアコーディナが作られていますが、やはり原点であるこのモデル復刻版も制作されています。しかし音はやはりオリジナルのものとは全く違います。しかしそれは新しいキャラクターとして好ましいものであると思っています。
Borelのアコーディナは扱いにくい部分も多々ありますが、その存在感は格別のものがあります。音においてもそのデザインにおいても。
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付録ー調声に最適なヘッドフォン!
付録として、エムフリお気に入りのお薦めグッズをここに掲載します!
今回は調整作業に使っている、ヘッドフォンです。
僕は基本的にヘッドフォンで音楽を聴くのは好きではなくて、アナログ録音時のモニターか雑音などの最終チェックにしか使いません。
その理由は再生音がヘッドフォンによる特性にかなり左右されるからです。なので制作時にはその目的に応じた音のヘッドフォンを選択することになります。録音時のモニターや雑音を検知するのに適したものを選びます。
ただ、ヘッドフォンはそれほど好きではないのです。空間を介さない直接耳に伝える音なので、どちらかというと好んで使うというよりも、作業工程で仕方なく使うことが多いです。
♡購入までの経緯
最近、SynthesizerVで調声をするようになって、MacBookPROを使用して外出先などでも作業するようになりました。そうするとヘッドフォンは必須となってきます。長時間装着して疲れなければ、まぁイイかくらいで適当に選んでいました。
当初はデザイン性からTeenage Engineering のヘッドフォンを使用していました。オシャレな感じと携帯に便利なので使っていました。ハイがカットされて中低位域がモッコリするので、ちょっとしたMix用にも使えそうなの感じでした。しかし、カバンに入れて持ち歩いていると可動部分が折れてしまいました。
気に入っていたので(デザインが〜笑)再注文して、ついでにいろいろ検索していると「アシダボックス」なるものを見つけました。ものすごく評判が良くて一時期は入手困難な状態が続いていました。日本のメーカーでデザインがなんともレトロ。
Teenage Engineeringのヘッドフォンよりも安かったのでポチってみました。
♡調声に最適
結論からいいますと、めっちゃイイです。特にSynthesizerVの調声作業にバッチリです!
丁度、人の声の部分が聞きやすくて微細な変化もこのヘッドフォンだと聞き逃すことがないです。SynthesizerVで調声をされている方には、是非是非お薦めのヘッドフォンです。コスパも良いです。
同じデザインで、ST-90-05とST-90-07というのがあります。僕が購入したのはST-90-07のほうです。評判になっていたのはST-90-05のほうなのですが、さらにパーツのグレードを上げて音をよくしたのががST-90-07です。
低域はあんまり出ませんので、そういった需要の音楽には不向きです。声が聴き取りやすいので、調声とは抜群に相性がイイです。先にもいったようにヘッドフォンは、その目的に応じて使うのが理想的で万能性を求めるものではありません。
最初にいったようにヘッドフォンを使うのはあまり好きではないのですが、これはかなりお薦めです。これを使い出してから、SynthesizerVの調声で細部の音の動きに迷うことが減って作業効率が上がりました。
とにかく声の微細な変化がとてもわかりやすいので、是非使ってみてください!
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