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M-VAVE FM-1について、このブログでは現在シリーズで追いかけています。
約1万円という価格。
6オペレーターFM音源。
そしてV16では8パート・マルチティンバーへ大幅進化。
さらにFeluccaをはじめとするカスタムファームウェア、Firmware Hub、FM-SWITCHなどを調べていくうちに、FM-1は単なる「格安FMシンセ」という枠を大きく超えた製品だと感じるようになりました。
そんな中、早くも次のモデル、
「M-VAVE FM-2」
の存在が明らかになりました。
ただし最初に書いておくと、現時点では正式な製品発表ではありません。
価格も仕様も、発売日も未発表。
今回は2026年11月現在で確認できる情報を整理しながら、FM-2がどのような製品になる可能性があるのかを考えてみます。
FM-2の存在はM-VAVE側が明言
FM-2について具体的な発言が出たのは、2026年10月に上海で開催されたMusic China 2026です。
SonicstateによるM-VAVEへのインタビューの中で、Nick Batt氏がFM-1について、
「非常に小型でDSPにも限界がある。もっと大きく、より野心的な製品を作る余地はあるのか」
という趣旨の質問をしました。
これに対してM-VAVEのAustin氏が、
FM-2を今年後半に予定している
と回答しています。
ただし発言には「probably(おそらく)」という言葉も付いており、さらに量産方法についてまだ検討している段階であることも話しています。つまり「2026年末発売決定」ではなく、現段階では年内を目標として開発・量産準備を進めていると理解するのが正確でしょう。
現時点で確定していることは、実はかなり少ない
FM-2について、今のところ確認できている事実はごく限られています。
| 項目 | 2026年11月現在 |
|---|---|
| FM-2という製品 | 開発中であることをM-VAVE側が明言 |
| 発売時期 | 2026年末を目標。「probably」付き |
| 量産 | まだ検討・調整中 |
| 価格 | 未発表 |
| 本体サイズ | 未発表 |
| CPU / RAM | 未発表 |
| 鍵盤・操作子 | 未発表 |
| ポリフォニー | 未発表 |
| マルチティンバー | 未発表 |
| Open Firmware | 未発表 |
| FM-1用FWとの互換性 | 不明 |
現在のM-VAVE公式製品一覧にはFM-1は掲載されていますが、FM-2の製品ページはまだ存在していません。公式ダウンロードページにもFM-1 V16までしか掲載されていません。
つまり、ネット上ですでに見かける「大型FM-1」「高性能版FM-1」といった表現は、まだ正式仕様ではありません。
「FM-2は大型版」という情報には注意
この点は特に注意したいところです。
FM-2についての記事を見ると、
「FM-1の大型版」
という表現が出始めています。
しかし、M-VAVE自身が「FM-2はFM-1より大型になる」と発表したわけではありません。
「もっと大きく、より余裕のあるハードウェアはどうか」という話を最初に出したのはインタビュアー側です。
その問いに対してFM-2の存在が明かされたため、
「FM-2=大型・高性能版ではないか」
という期待が広がっています。
Synth Anatomyも「bigger versionなのか?」という形で紹介していますが、本文ではそれがまだ予想であることを明記しています。
ですから現段階では、
FM-2はFM-1の後継機らしい
ところまでは言えても、
FM-1を大型化した上位モデル
と断定するのは早いでしょう。
ただし「もっと余裕のあるハードウェア」への期待は大きい
一方で、FM-2に期待したくなる理由もあります。
FM-1は現在、非常に多くのカスタムファームウェアが開発されています。
シンセサイザー。
グルーブボックス。
ドラムマシン。
サンプラー。
シーケンサー。
ゲーム。
さらに、M-VAVE自身も「FM1 Open」を公開し、複数の音源方式、サンプル再生、8トラックシーケンサー、ブラウザ上のWorkbench、SDK、アプリケーションソースまで提供するようになりました。
つまりFM-1は、
完成した一台のシンセ
というより、
中身を書き換えて別の楽器へ変えられるハードウェア・プラットフォーム
へ変化しています。
Sonicstateのインタビューでも、M-VAVE側はFM-1について「製品というよりplatformに近い」という考え方に同意しています。
ています。
FM-2を想像してみる——あくまで非公式のコンセプトイメージ

上の画像は、現在開発が明らかになっているM-VAVE FM-2について、FM-1の特徴や今後期待したい方向性をもとに制作した非公式のコンセプトイメージです。
実際のFM-2の外観を示したリーク画像や公式デザインではありません。
FM-1で実現した6オペレーターFM音源やマルチティンバー、シーケンサー、DAW連携といった特徴を発展させるとしたら——という想像から、より大きなカラー画面、複数パートを直接操作できるインターフェース、音作り用のノブやステップシーケンサーなどを備えた姿を描いています。
もちろん、実際のFM-2がこのような製品になるとは限りません。
現時点ではサイズ、操作子、音源方式、マルチティンバー数、価格など、ほとんどの仕様が未発表です。
この画像はあくまで、
「FM-1で生まれたプラットフォーム的な発想が、より余裕のあるハードウェアへ発展したら面白い」
という期待を視覚化したものです。
実際のFM-2がどのような姿で登場するのか、正式発表を待ちたいと思います。
※掲載画像はMusicFreaksによる非公式コンセプトイメージです。M-VAVE公式画像、リーク画像、実機写真ではありません。
FM-2で重要なのは「音が良くなるか」だけではない
FM-2が登場したとき、もちろん気になるのは、
音源。
CPU。
メモリ。
画面。
操作子。
ポリフォニー。
価格。
といった部分です。
しかしFM-1を実際に追いかけている立場からすると、それ以上に気になることがあります。
FM-1で生まれた「オープンプラットフォーム」という思想を、FM-2でも継承するのか。
ここです。
もしFM-2がより余裕のあるCPUやRAMを搭載し、
なおかつFM-1と同じようにユーザーや開発者がファームウェアを書き換えられるのであれば、
FM-1ではメモリや処理能力の都合で難しかった、
より複雑なシンセエンジン。
長いサンプル。
より高品質なエフェクト。
より多くのトラック。
大きな画面を使った編集。
といった方向へ進める可能性があります。
ただし、これはあくまで期待です。
現時点でM-VAVEからそのような仕様は発表されていません。
FM-1用ファームウェアはFM-2でも使えるのか?
これも非常に気になるところです。
現在FM-1には、Feluccaをはじめ非常に多くのサードパーティ製ファームウェアがあります。
さらにFirmware Hubのようなサイトも登場し、FM-1を購入したあとに「どの楽器として使うか」を選べるような環境ができています。
ではFM-2でも、その資産をそのまま使えるのでしょうか。
現時点では、
まったく分かりません。
FM-2がFM-1と同系統のハードウェアを使うなら、比較的容易に移植できる可能性があります。
一方でCPUや内部構造が大きく変われば、各ファームウェア側で新たな対応が必要になるでしょう。
少なくとも今の段階では、
「FM-1用ファームウェアがFM-2でそのまま動く」
とは考えない方が良さそうです。
むしろFM-1の価値は下がらないかもしれない
新型の話が出ると、
「ではFM-1を今買うのは待った方がいいのか?」
という疑問も出てきます。
しかし個人的には、現段階ではそうとも言い切れないと思います。
FM-1はすでに、
純正V16。
FM1 Open。
Felucca。
Firmware Hub。
FM-SWITCH。
大量のコミュニティ製ファームウェア。
という環境が成立しています。
そして何より、本体が非常に安価です。
FM-2がより高性能な上位モデルとして登場したとしても、
小さくて安いハードウェアを気軽に書き換えて遊ぶ
というFM-1独自の魅力は残る可能性があります。
場合によっては、
FM-1=気軽に遊べる小型プラットフォーム
FM-2=より本格的な制作向けプラットフォーム
という棲み分けになるかもしれません。
もちろん、これも正式仕様が発表されてから改めて判断する必要があります。
M-VAVE公式サイトにはまだFM-2の姿はない

Music China 2026に先立って公開されたM-VAVE公式の展示予告では、FM-1をはじめ複数の製品とともに「mystery new product」が展示されることが告知されていました。
ただし、この「mystery new product」がFM-2だったと公式に明記されているわけではありません。
現在の公式製品一覧にもFM-2はまだ掲載されていません。
現時点では、
「M-VAVE担当者がFM-2の開発を明言した」
というところが最も確かな情報です。
正式発表はこれからです。
FM-1を追っている今だからこそ、FM-2も追いかけたい
FM-1について最初の記事を書いたときは、
「約1万円の中国製格安FMシンセを買ってみた」
というところから始まりました。
しかし調べていくうちに、
V15からV16への大幅進化。
マルチティンバー化。
Felucca。
Firmware Hub。
FM-SWITCH。
Open Firmware。
DAWとの連携。
と、予想以上に大きな世界へ広がっています。
そのタイミングでFM-2の存在が明らかになりました。
これは非常に興味深い展開です。
FM-2が単なるFM-1の後継機なのか。
より高性能な上位機になるのか。
FM-1で生まれたオープンプラットフォーム文化を引き継ぐのか。
それとも、まったく別の方向へ進むのか。
今のところ答えはありません。
だからこそ、正式発表されたときに、
「FM-1から何が変わったのか」
を改めて詳しく確認したいと思います。
そして実機が発売されたときには、FM-1をこれまで追いかけてきた視点から、
FM-1との比較も含めて実際にレビューしてみたい
と思っています。
現時点では、まだ始まったばかりのFM-2。
新しい情報が入り次第、この記事も随時更新していく予定です。
M-VAVE FM-1 解説 【1〜13】
M-VAVE FM-1について、基本操作から音作り、カスタムファームウェアまで順番に紹介していきます。
- 第1回:FM-1とは何か
- 第2回:V15で最初の一歩——音出しからシーケンサーまで
- 第3回:V16へアップデートすると何が変わるのか
- *番外編:M-VAVE FM-2が開発中——現時点でわかっていること
- 第4回:V16をDAWから鳴らす——8パート・マルチティンバー音源として使う
- 第5回:音作り編——6オペレーターFMを怖がらず触る
- 第6回:Felucca導入——FM-1が別の楽器に変わる
- 第7回:純正FM-1とFeluccaは何が違うのか
- 第8回:Firmware Hubとは何か——100種類超のFWを見てみる
- 第9回:FM-SWITCH——iPhone・iPad・Macからファームウェアを着せ替える
- 第10回:FM-1用ファームウェアをVST3 / AU / CLAPとしてDAWで動かす
- 第11回:気になるファームウェアを実際に試してみる
- 第12回:FM-1は1台で十分? 複数台運用との違いを考える
- 第13回:FM-1はシンセなのか、プラットフォームなのか
- ※公開済みの記事から順次リンクを追加していきます。公開予定記事の内容は変更することもあります。