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子供の頃に読んだ童話で「アリとキリギリス」というのがありました。子供ながらに解せなかったのが、何故、アリはかわいそうなキリギリスを見殺しにしたのか、ということです。困った人を見たら助けてあげなさいと教育された、真面目な児童だったボクはとても困惑したわけですよ。
まわりの大人に聞いても「真面目に働かずに遊んでばかりいるとこうなる」というばかりで、放っておいたら死ぬかもしれない困った人がいて、見捨てることになんの罪悪感を感じていないことに子供ながら怖く思ったものです。
授業中のハプニング
小学校の授業でたまたま「アリとキリギリス」が話題になったときがあり、かねがね思っていたことをここで披露したわけですよ。そうするとみんなが賛同してくれて「かわいそうなキリギリスを助けてあげない、アリがおかしい」となったわけです。
このときの先生は20歳代半ばのまだ新任の若い女の先生。とてもきれいな人だったのを覚えていますよ。で、このひとはアリの正当性をみんなに説いてまわるんですよ。「一生懸命働いたのに、ひとりのろくでなしにタダで施しものをしたら、このろくでなしは調子にのってどんどん甘えてきて、アリがせっかく働いてためたものをたくさんのろくでなしに台無しにされてしまう」というのです。
今から考えたら、この先生はどこかのろくでなしとつきあっていたんでしょうかね...。
藤X君というちょっと変わった子がいて(まぁボクも変わってましたが)、この子が先生が何を言っても「しーらない、そんなのしーらない」を連発するんです。と、突然この若い美人先生、藤X君の席にタッタッタッと近づいてきて、藤X君所有の筆箱(当時、象が踏んでも壊れないといわれていた筆箱です)をやにわに握りしめ、藤X君の脳天をバコッ!とやったわけです。
先生が逃げるように教室から飛び出していって、藤X君のわーっという泣き声、教室はみんな騒然、「アリとキリギリス」どころではなくなりました。これはこれで大変な事態なのですが本題からそれるので、その後のことはいろいろ大変でしたくらいでおいておきます。
そして後のに残ったのは、「アリとキリギリス」の疑問とヒビの入った筆箱(象が踏んでも壊れないはずなのに...)です。
自由なキリギリス、偏狭なアリ
こんな事件があって、ボクの中では「アリとキリギリス」の問題は釈然としないまま、中学生になるとギターなんかも始めて「キリギリスのうた」なんかも作ったわけです。
「ボクは歌うことがすべてなんだ、だから誰がなんといおうと〜♪うたいつづけるのさー♪」みたいなとても恥ずかしい歌です。
で、この頃にはアリは融通の利かない杓子定規な馬鹿者というのがボクの中の定義でした。もし人間でこんな奴がいたら、友人としてはお断りだなと思っていたわけです。ひたすら自分のことだけに忙しく、常に自分は正しいことをしていて、自分と価値観の違うものは排除する、という考えをアリ理論と名付けたのでアリまーす。
アリの切実な事情
そういった考えの思春期も過ぎて、社会に出るようになっていろいろ見てくると、アリにはアリなりの事情もあったのでしょう、と思うようになってきました。
アリというのは集団で生活するもので、まさに群衆ですよ。もし仮に一匹のアリがキリギリスを助けるようなことがあれば、きっとこのアリはアリという集団からのけ者にされて、明日からの生活に困ることになるわけです。
人間も同じことをやってきたわけですよ、とんでもない状況の中で群衆と化した人間は、人間性というものよりも集団で一部の人間が決めた利を選ぶように教育されるわけです。
古くは魔女狩り、そしてナチス政権下のドイツ、戦時中の日本、人種差別、アパルトヘイト、子供のいじめもいってみればそうです。人間がアリという群衆になってひとつの流れに異を称えるものを排除し、その流れに乗らないものが抹殺されるのです。
ボクは音楽を愛するゆえに少年時代から音楽家のキリギリスに肩入れしていましたが、アリのような立場の目線で考えると違った見方ができると思います。
ようするにまともなアリがいたとしても、いったん集団の中で生活し何かが誤った方向に向かっていったしても、集団のなかで異を称えることがとても難しくなります。
自分の家族を守るために、みずから心を閉じて集団に逆らわずに生きていく方向に進んでいくもののほうが圧倒的に多い、ということなのです。
ほんとうに伝えるべきこと
「アリとキリギリス」はひとつの寓話で、この物語の中でキリギリスはアリに見殺しにされました。しかしそれは、集団とともに生きる中でのやむを得ない決断だったのかもしれません。
もし好奇心旺盛な子供に質問されたら、こう話してあげたい。
ほとんどのアリがキリギリスを見殺しにしたけど、実は勇気を持ってキリギリスを助けたアリもいるんだよ。だから今でもキリギリスは元気に生きているんだよ。正しく生きようとしたアリもいるんだよ、と。
かつてナチス政権下での民族大虐殺の波の中で、人々を助けようとしたドイツ人や日本人がいたように。
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