一次審査で落ちた=曲が悪かった、ではない──音楽コンテスト応募で考えておきたいこと


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音楽コンテストに作品を応募して、一次審査で落ちる。

そのとき、多くのクリエイターが最初に考えるのは、

「曲が良くなかったのだろうか」

ということではないでしょうか。

私自身も、そう考えたことがあります。

自分ではかなり手応えがある。
周囲からの反応も悪くない。
実際にリリースしてみると、ほかのオリジナル曲より反応が良い。

それなのに、コンテストでは一次審査すら通らない。

そうなると、

「自分の感覚がズレているのだろうか」
「コンテストが求めているものと違ったのだろうか」
「選ばれている曲にはどんな傾向があるのだろう」

と考え始めます。

もちろん、それ自体は自然なことです。

しかし最近、私はもう一つ大切なことに気づきました。

一次審査で落ちたからといって、その作品が必ずしも“音楽として評価された結果”とは限らない。

ということです。

クリエイターは「作品」を送っている

クリエイターにとって、一曲は単なるデータではありません。

作曲する。

歌詞を書く。

アレンジする。

演奏する。

録音する。

何度も直す。

ミックスする。

マスタリングする。

場合によっては数週間、数か月かけて完成させます。

そこには時間も経験も感情も入っています。

だからコンテストへ応募するときも、私たちは無意識に、

「この作品を聴いてもらう」

と思っています。

ところが、運営側から見た一次受付は、必ずしも同じ景色ではありません。

運営側では、まず「応募データ」である

応募数が数百、数千件になるコンテストを想像してみると分かりやすいと思います。

運営側が最初に確認しなければならないのは、

曲の芸術性だけではありません。

応募資格を満たしているか。

ファイル形式は正しいか。

リンクは正常に開くか。

必要事項は記載されているか。

指定された方法で提出されているか。

制限時間を超えていないか。

公開設定に問題はないか。

こうした確認が先にあります。

つまり、クリエイター側が

「作品を送った」

と思っている一方で、

運営側ではまず

「応募データを受け取った」

という段階が存在します。

この認識の差は、思っている以上に大きいのかもしれません。

一次審査は「選ぶ作業」であると同時に「落とす作業」

少し冷たく聞こえるかもしれませんが、大量の応募を扱う一次審査では、

優れた作品を探す前に、まず条件外の応募を除外する

という工程が必要になります。

これは運営が作品を軽視しているという意味ではありません。

物理的な問題です。

1000件の応募があり、それぞれについて個別に、

「これはちょっと形式が違うけれど、中身を確認してみよう」

「このリンクは分かりにくいけれど、探してみよう」

「ZIPだから一度ダウンロードして解凍しよう」

と対応していたら、それだけで膨大な時間がかかります。

だからこそ、応募要項には提出形式が決められています。

そして一次審査では、その基準から外れているものを機械的、あるいは事務的に処理する必要が出てきます。

クリエイター側からすれば、

「中身を見れば分かるのに」

と思うことでも、

運営側からすれば、

「例外処理が一つ増える」

ということになります。

「中身はMP3だから大丈夫」と思っていた

今回、私自身が気づいたのはファイル形式でした。

提出した音源の中身はMP3でした。

ただし、実際にリンク先に置いていたファイルはZIPでした。

ファイル名で言えば、

overlap.mp3.zip

という形です。

こちらとしては、

「中身はMP3なのだから問題ないだろう」

という感覚でした。

しかし、改めて運営側の立場で考えてみると、見え方が変わります。

指定されたものがMP3であれば、

overlap.mp3

をそのまま提出するのが最も明確です。

ところがZIPであれば、

ダウンロードする。

セキュリティ上問題がないか確認する。

解凍する。

中身を確認する。

そこからMP3を探す。

という手順が増えます。

まして、知らない相手の個人サイトからZIPファイルをダウンロードするとなれば、セキュリティの面でも慎重になるでしょう。

ここで大切なのは、

ZIPで提出したから必ず審査対象外になった

と言いたいわけではないということです。

実際の理由は運営側にしか分かりません。

ただ、

作品の内容とは別に、審査まで到達しない可能性のある要素が存在していた

ということには気づけます。

それだけでも、一次審査の結果の受け止め方は大きく変わります。

Google DriveやDropboxが指定される理由

コンテストによっては、Google DriveやDropboxなどのクラウドストレージを使った提出方法が案内されています。

これも単なる「便利だから」という話ではないのかもしれません。

運営側からすれば、

誰でも知っているサービスである。

アクセス方法が統一されている。

ブラウザ上で確認しやすい。

ファイル共有の仕組みが安定している。

セキュリティ対策も一定程度期待できる。

こうしたメリットがあります。

つまり、応募要項に書かれている提出方法は、

応募者のための説明であると同時に、運営側の作業フローそのもの

と考えた方が良いのかもしれません。

「この方法でも開けるから大丈夫」

ではなく、

「この方法で処理することを前提に運営が設計している」

と考える。

そうすると、指定方法にそのまま従う意味がよく分かります。

以前にも似た経験があった

実は以前、別の無料コンテストでも似た経験がありました。

そのときはYouTubeリンクを使った応募でした。

楽曲のみで応募する場合は指定画像を使うという趣旨の記載があったのですが、私は運営スタッフに、

「動画を付けても問題ないでしょうか」

と事前に問い合わせました。

回答は、

「大丈夫です」

というものでした。

そこで動画付きで応募しました。

しかし後から詳しく確認すると、実際の応募ルールとしては、楽曲のみの場合は動画ではなく指定画像を使うことが前提だったように見えました。

もちろん、これも実際の落選理由だったかどうかは分かりません。

ただ、この経験から感じたのは、

問い合わせたから必ず安全とも限らない

ということです。

質問の仕方によっては、

「動画を付けること自体は問題ありません」

という意味で回答されていて、

「その形式で一次審査の応募要件を満たします」

という意味ではなかった可能性もあります。

ここにも、応募者と運営側の認識のズレがあります。

問い合わせるなら「審査対象になりますか」と聞く

今後問い合わせるとすれば、私は質問の仕方も変えようと思います。

たとえば、

「ZIPでも大丈夫ですか」

ではなく、

「ZIP形式で提出した場合でも、応募規定上、有効なエントリーとして一次審査の対象になりますか」

と聞く。

「動画を付けても大丈夫ですか」

ではなく、

「指定画像ではなく自作動画を使用した場合でも、規定上、一次審査の対象になりますか」

と聞く。

確認したいのは、

「技術的に可能か」

ではありません。

「審査対象として有効か」

です。

この違いはかなり大きいと思います。

それでも、できるだけ問い合わせない

ただし、最も安全なのは問い合わせて例外を認めてもらうことではありません。

最初から指定された方法に合わせることです。

MP3と書いてあればMP3。

Google Driveと書いてあればGoogle Drive。

指定画像と書いてあれば指定画像。

ファイル名のルールがあるならその通りにする。

クリエイターは普段、

「もっと良い方法はないか」

「自分らしいやり方はできないか」

と考える仕事です。

しかしコンテストの応募事務に関しては、その創造性をいったん封印した方が良いのかもしれません。

応募要項に書いてあることを、

仕様書

として扱う。

このくらいがちょうど良いと思います。

「作品制作」と「応募作業」は別の工程

私は今後、作品が完成した時点で、

作品制作フェーズは終了

と考えることにしました。

そこから先は、

応募事務フェーズ

です。

この二つは別物です。

作品制作では、

個性を出す。

常識から外れる。

新しいことを試す。

予想外の展開を作る。

そうしたことに価値があります。

しかし応募事務では逆です。

指定された形式に合わせる。

例外を作らない。

誰が見ても分かる状態にする。

リンクを開けばすぐ再生できる。

必要事項を漏らさない。

ここでは個性は必要ありません。

むしろ、

普通であることが最も強い。

この切り替えは、コンテストへ応募するクリエイターにとってかなり重要だと思います。

一次審査の結果を、作品価値と直結させない

もう一つ大切なのは、

一次審査で落ちた結果を、必要以上に作品の価値と結びつけないこと

です。

もちろん、本当に作品そのものを評価された結果として落選することもあります。

それがコンテストです。

ただし一次審査では、そこへ到達する前にさまざまな条件があります。

だから、

「一次で落ちた」
↓
「自分の曲は評価されなかった」
↓
「この曲はダメだった」

と一直線に考える必要はありません。

選考基準との相性かもしれない。

審査員の好みかもしれない。

コンテストの方向性と違ったのかもしれない。

そして場合によっては、

そもそも音楽的な評価まで到達していなかった可能性もある。

これは負け惜しみではなく、一次審査という仕組みを考えれば普通にあり得ることです。

「なぜあの曲が通って、自分が落ちたのか」と考える前に

一次審査で落ちたとき、

選ばれた曲を聴いて、

「なぜこの曲が通って、自分の曲が通らなかったのだろう」

と思うこともあるでしょう。

私にもあります。

しかし、その比較を始める前に、一度確認した方が良いことがあります。

自分の作品は、本当に同じ土俵まで到達していたのか。

ファイル形式は合っていたか。

リンクは正常だったか。

公開設定に問題はなかったか。

応募条件をすべて満たしていたか。

指定された方法から外れていなかったか。

ここが確認できて初めて、

「このコンテストはどんな音楽を評価するのだろう」

という分析に意味が出てきます。

それまでは、音楽性とは別の要因が混ざっている可能性があります。

無料コンテストほど「例外」を期待しない

特に無料コンテストでは、この考え方が重要だと思います。

応募する側に費用がかからないということは、参加へのハードルが低くなります。

その分、応募数が増える可能性があります。

大量の応募を限られたスタッフで処理するなら、一件一件に例外対応するのは難しくなります。

だから無料コンテストほど、

「これくらいなら見てくれるだろう」

と期待しない方が良い。

運営側が最も処理しやすい応募者になる。

これは作品を迎合させるという意味ではありません。

作品は自由でいい。

提出方法だけは徹底的に普通にする。

その方が、作品そのものをきちんと聴いてもらえる可能性が高くなります。

作品を「作品として聴いてもらえる場所」まで届ける

クリエイターにとって、一曲は大切な作品です。

しかし応募フォームに入った瞬間、その作品は一度、

数百、数千件ある応募データの一つ

になります。

少し寂しい話に聞こえるかもしれません。

でも、それが現実なら、こちらも考え方を変えればいい。

作品を作るだけではなく、

その作品がきちんと「作品」として聴いてもらえる場所まで届ける。

そこまでを制作の最後の工程と考える。

良い曲を書く。

良い演奏をする。

良いミックスをする。

そして、

間違いなく審査してもらえる形で提出する。

この最後の一手も、コンテストでは作品を守るために必要なのだと思います。

一次審査で落ちたからといって、すぐに「曲が悪かった」と思う必要はありません。

ただし同時に、

「自分の作品なら伝わるはず」

と考えて、応募手続きを軽く見るべきでもありません。

クリエイターは作品に思い入れがあります。

運営は大量の応募を処理しなければなりません。

その二つの視点には、最初からズレがあります。

そのズレを理解しておくこと。

それだけでも、コンテストとの付き合い方は少し変わるのではないでしょうか。

 

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付録ー調声に最適なヘッドフォン!


付録として、お気に入りのお薦めグッズをここに掲載します!

今回は調整作業に使っている、ヘッドフォンです。


僕は基本的にヘッドフォンで音楽を聴くのは好きではなくて、アナログ録音時のモニターか雑音などの最終チェックにしか使いません。

その理由は再生音がヘッドフォンによる特性にかなり左右されるからです。なので制作時にはその目的に応じた音のヘッドフォンを選択することになります。録音時のモニターや雑音を検知するのに適したものを選びます。

ただ、ヘッドフォンはそれほど好きではないのです。空間を介さない直接耳に伝える音なので、どちらかというと好んで使うというよりも、作業工程で仕方なく使うことが多いです。

♡購入までの経緯

最近、SynthesizerVで調声をするようになって、MacBookPROを使用して外出先などでも作業するようになりました。そうするとヘッドフォンは必須となってきます。長時間装着して疲れなければ、まぁイイかくらいで適当に選んでいました。

当初はデザイン性からTeenage Engineering のヘッドフォンを使用していました。オシャレな感じと携帯に便利なので使っていました。ハイがカットされて中低位域がモッコリするのですが、聞き疲れしないので気に入っていました。しかし、カバンに入れて持ち歩いていると可動部分が折れてしまいました。

気に入っていたので(デザインが〜笑)再注文して、ついでにいろいろ検索していると「アシダボックス」なるものを見つけました。ものすごく評判が良くて一時期は入手困難な状態が続いていました。日本のメーカーでデザインがなんともレトロ。

Teenage Engineeringのヘッドフォンよりも安かったのでポチってみました。

♡調声に最適

結論からいいますと、めっちゃイイです。特にSynthesizerVの調声作業にバッチリです!

丁度、人の声の部分が聞きやすくて微細な変化もこのヘッドフォンだと聞き逃すことがないです。SynthesizerVで調声をされている方には、是非是非お薦めのヘッドフォンです。コスパも良いです。

同じデザインで、ST-90-05とST-90-07というのがあります。僕が購入したのはST-90-07のほうです。評判になっていたのはST-90-05のほうなのですが、さらにパーツのグレードを上げて音をよくしたのががST-90-07です。

低域はあんまり出ませんので、そういった需要の音楽には不向きです。声が聴き取りやすいので、調声とは抜群に相性がイイです。先にもいったようにヘッドフォンは、その目的に応じて使うのが理想的で万能性を求めるものではありません。

最初にいったようにヘッドフォンを使うのはあまり好きではないのですが、これはかなりお薦めです。これを使い出してから、SynthesizerVの調声で細部の音の動きに迷うことが減って作業効率が上がりました。

とにかく声の微細な変化がとてもわかりやすいので、是非使ってみてください!


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