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Digital Performer 12が発表されました。
Digital Performerを長年使ってきた私にとって、もちろん気になるアップデートです。新しい機能を一通り確認してみましたし、実際に魅力を感じる部分もあります。
ところが、今回私はすぐにアップグレードするつもりはありません。
「最新バージョンなのに、なぜ?」
と思われるかもしれません。
しかし、今回のDP12をきっかけに改めて考えてみると、これはDigital Performerに対する不満というより、むしろDAWと長く付き合うための一つの選択なのだと思います。
私にとってDigital Performerは最初のDAW
Digital Performerは、私が最初に購入したDAWです。
現在はAbleton LiveやLogic Proも使っていますが、最終的にDigital Performerへ戻ってくることが多い。
最近では、Electric系の音楽はLive、生楽器を中心とした制作はDigital Performerという使い分けになっています。
Liveはアイデアを形にするまでが速く、とにかく手軽です。
一方、Digital Performerは録音した素材を編集し、細かなところまで追い込んでいくときに強い。
同じDAWでも、目指している音楽や制作方法によって、適した場所が違うのだと思います。
昨年、私はDP11へアップグレードした
実は私は、昨年6月にDigital Performer 11へアップグレードしています。
今から考えると、このタイミングはかなり重要でした。
私の制作環境には、現在でも旧タイプのMac Proがあります。使用できるOSはmacOS 12までで、当然ながら使用できるソフトウェアも限られます。
しかし、古い環境だからこそ使えるソフトウェアもあります。
その代表がFinaleです。
現在はDoricoへ移行していますが、これまで作ってきた楽譜ファイルの圧倒的多数はFinaleで作られています。
つまり、古いMacを単純に「もう使わない機械」として処分することはできません。
そこには、これまで作ってきた音楽の資産が残っているからです。
そのため、私はDP11へアップグレードする際に、ある程度予想していました。
DP11が、この古いMac環境で使える最後のDigital Performerになるのではないか。
そして今回、DP12のシステム要件を見て、その予想が当たったことが分かりました。
DP12では対応するOSの世代が変わり、Apple Siliconが推奨されています。
結果的に、昨年DP11を購入しておいたことには大きな意味がありました。
DP12への無償アップグレード対象が今年1月以降の購入者だったため、少し残念ではあります。
しかし、それ以上に、
「あのときDP11を買っておいてよかった」
という気持ちのほうが強いのです。
Digital Performerの大きな魅力は「世代を超えること」

Digital Performerを長く使っていて特にありがたいと感じるのが、過去のファイルを現在の環境で開けることです。
もちろんバージョンによって互換性の条件はありますが、DPは長い年月にわたって制作環境をつないできてくれました。
これは、毎年のように新しい機能が追加されることとは別の価値です。
音楽を長く作っていると、10年前、20年前のファイルが突然必要になることがあります。
「あの曲のデータをもう一度開きたい」
「昔のアレンジを確認したい」
「当時の音をもう一度聴いてみたい」
そんなとき、過去の制作環境が残っていることは非常に大きな意味を持ちます。
Ableton Liveの場合、新しいバージョンで保存したセットを古いバージョンで開くと、新しいバージョンのファイルへ変換されるという考え方があります。
一方でDigital Performerには、世代をまたいで制作資産を維持していく感覚があります。
だから私にとってDPは、単なるDAWではありません。
これまで作ってきた音楽を保存し、未来へつなぐための器でもあるのです。
DP11には、まだ私にとって重要な機能がある
今回DP12の機能を確認してみました。
もちろん魅力的な新機能はあります。
特にDolby Atmos環境への対応は大きな目玉でしょう。
しかし、現在の私のモニター環境は5.1です。
本格的なDolby Atmos制作環境を構築しているわけではないので、現時点ではAtmos対応がアップグレードの決定的な理由にはなりません。
Stem Splitterも便利な機能ですが、これはAbleton LiveやLogic Proにもあります。
つまり、「DP12にしかないから、今すぐ必要」という機能ばかりではありません。
その中で、私がむしろ注目したのが作業環境の効率化です。
特にショートカットキーをDAW間で統一しやすくなることには魅力を感じます。
Live、Logic Pro、Digital Performerを使い分けていると、手が覚えている操作がDAWによって違うことは意外と大きなストレスになります。
派手な新機能ではありません。
しかし、毎日の制作で何度も使う操作が少しずつ効率化される。
こうした変更こそ、長く使うDAWでは重要なのかもしれません。
そして、私にとってARAは非常に大きい
Digital Performerを使う理由として、もう一つ外せないのがARAです。
特にMelodyneを使う場合、これは非常に大きなメリットになります。
私は以前、ARAを使いたいという理由でStudio OneやWaveformを使っていたこともあります。
通常のプラグインとしてMelodyneを使う場合、音声ファイルとMelodyne側のデータを意識して管理する必要があります。
曲の構成を変更したり、小節数が変わったりすると、さらに面倒な作業が増えていきます。
ところがARAでは、MelodyneとDAWのプロジェクトがより密接に結びつきます。
私の場合、Melodyneを使う機会が多い制作では、Digital Performerを選ぶ理由が非常に明確になります。
そして、このARAはDP11ですでに問題なく使えます。
ここが今回のDP12を考える上で重要なところです。
私がDPを使う最大の理由の一つが、DP11ですでに成立しているのです。
「最新だからアップグレードする」をやめてみる

考えてみれば、私はすべてのソフトウェアを同じ基準でアップグレードしているわけではありません。
Ableton Liveは、比較的短いサイクルでアップグレードしています。
新しい音楽制作の方法やデバイス、ワークフローが追加されることが多く、それが実際の制作方法に影響するからです。
Doricoも基本的には毎回アップグレードしています。
こちらはあまり使わないのですが(笑)、アップグレードのタイミングなら比較的安く購入できるので、将来のために最新環境を確保しているという意味があります。
しかしDigital Performerは違います。
DPは、他のDAWですでに実装されている機能を、より深く、より実制作に適した形で取り込んでいくようなアップデートが多いように感じます。
だからこそ、毎回最新にする必要性はそれほど高くありません。
むしろ、
「今の自分に必要なのか?」
という基準で考えたほうがいい。
DP12を買わないのではなく、DP12へ「移管」する
今回、私はDP12をすぐに購入しないつもりです。
しかし、これはDP12を否定しているわけではありません。
むしろ私は、DP11をしばらく使い続けながら、将来的にDP12へ制作環境を「移管」していくという考え方をしています。
旧MacにはDP11を残す。
そこにはFinaleをはじめとした過去の制作環境と、これまで作ってきた作品を保存しておく。
そして現在のMacでは、必要になった段階でDP12へ移行する。
つまり、
DP11は過去の制作資産を守る環境。
DP12はこれからの制作環境。
そういう役割分担です。
これは「古いバージョンを捨てて新しいバージョンへ乗り換える」という一般的なアップグレードとは少し違います。
むしろ、制作環境そのものを次の世代へ移管していくという感覚に近い。
アップグレードのタイミングは「発売日」ではない
MOTUは比較的長い期間、一つのDigital Performerをサポートしてくれるメーカーです。
DP11からDP12までも約5年の時間がありました。
そう考えると、DPは「新バージョンが出たからアップグレードする」という付き合い方より、
「今使っているバージョンが、いつまで自分の環境で安定して使えるか」
を見るほうが合っているのかもしれません。
私の場合、DP11が現在のMacやmacOSで安定して動いている間は、急いでDP12へ移行する必要はありません。
今後、新しいmacOSへの対応が難しくなり、DP11では細かなバグ修正や互換性の問題に対応できなくなったとき。
その時が、私にとってのDP12へのアップグレードタイミングになるでしょう。
最新だから買うのではなく、
必要になったから移行する。
それでいいのだと思います。
DAWは「最新版」である必要があるのか
DAWは制作の中心にあるソフトウェアです。
だからこそ、最新版を使うことが正解だと思われがちです。
もちろん、新しい機能によって制作方法が変わることもあります。
しかし、音楽制作に必要なのは、必ずしも「最新の機能」ではありません。
自分が作りたい音楽を、ストレスなく、長期間にわたって作り続けられること。
そして過去に作った作品を、必要なときにもう一度開くことができること。
私にとってDigital Performerの魅力は、そこにあります。
Liveでは新しいアイデアを試す。
Logic ProではMacとの統合された便利な環境を使う。
Doricoでは楽譜制作の未来を確保する。
そしてDigital Performerでは、録音した音を丁寧に追い込み、これまでの制作資産を未来へつないでいく。
そう考えると、DP12をすぐに買わないという選択は、Digital Performerから離れることではありません。
むしろ逆です。
Digital Performerと、これからも長く付き合っていくための選択なのです。
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付録ー調声に最適なヘッドフォン!
付録として、エムフリお気に入りのお薦めグッズをここに掲載します!
今回は調整作業に使っている、ヘッドフォンです。
僕は基本的にヘッドフォンで音楽を聴くのは好きではなくて、アナログ録音時のモニターか雑音などの最終チェックにしか使いません。
その理由は再生音がヘッドフォンによる特性にかなり左右されるからです。なので制作時にはその目的に応じた音のヘッドフォンを選択することになります。録音時のモニターや雑音を検知するのに適したものを選びます。
ただ、ヘッドフォンはそれほど好きではないのです。空間を介さない直接耳に伝える音なので、どちらかというと好んで使うというよりも、作業工程で仕方なく使うことが多いです。
♡購入までの経緯
最近、SynthesizerVで調声をするようになって、MacBookPROを使用して外出先などでも作業するようになりました。そうするとヘッドフォンは必須となってきます。長時間装着して疲れなければ、まぁイイかくらいで適当に選んでいました。
当初はデザイン性からTeenage Engineering のヘッドフォンを使用していました。オシャレな感じと携帯に便利なので使っていました。ハイがカットされて中低位域がモッコリするのですが、聞き疲れしないので気に入っていました。しかし、カバンに入れて持ち歩いていると可動部分が折れてしまいました。
気に入っていたので(デザインが〜笑)再注文して、ついでにいろいろ検索していると「アシダボックス」なるものを見つけました。ものすごく評判が良くて一時期は入手困難な状態が続いていました。日本のメーカーでデザインがなんともレトロ。
Teenage Engineeringのヘッドフォンよりも安かったのでポチってみました。
♡調声に最適
結論からいいますと、めっちゃイイです。特にSynthesizerVの調声作業にバッチリです!
丁度、人の声の部分が聞きやすくて微細な変化もこのヘッドフォンだと聞き逃すことがないです。SynthesizerVで調声をされている方には、是非是非お薦めのヘッドフォンです。コスパも良いです。
同じデザインで、ST-90-05とST-90-07というのがあります。僕が購入したのはST-90-07のほうです。評判になっていたのはST-90-05のほうなのですが、さらにパーツのグレードを上げて音をよくしたのががST-90-07です。
低域はあんまり出ませんので、そういった需要の音楽には不向きです。声が聴き取りやすいので、調声とは抜群に相性がイイです。先にもいったようにヘッドフォンは、その目的に応じて使うのが理想的で万能性を求めるものではありません。
最初にいったようにヘッドフォンを使うのはあまり好きではないのですが、これはかなりお薦めです。これを使い出してから、SynthesizerVの調声で細部の音の動きに迷うことが減って作業効率が上がりました。
とにかく声の微細な変化がとてもわかりやすいので、是非使ってみてください!
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